初音ライブレポート:POP’N’ROUGE ~Hot&SweetNovember~

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去る11/6、渋谷REXで初音のワンマンライブ「POP’N’ROUGE ~Hot&SweetNovember~」が行われた。普段、弾き語りやアコースティックのイメージが強い初音にとって珍しいスタイルとなるが、バンドでのワンマンとなると約半年ぶり。
ファンにとって待望の開催となったが、そう思っていたのは観客だけではなかったらしい。誰よりもバンドライブを愛する彼女の堰を切ったようなステージにただ圧倒される数時間だった。魅力の尽きない初音の『もう一つの顔』に今後ますます期待したいと思う。

深紅のドレスを着たプリンセス

今回の「POP'N'ROUGE」が開催された渋谷REX。この会場で初音バンドワンマンが開かれるのも恒例になって来た。
今回の「POP’N’ROUGE」が開催された渋谷REX。この会場で初音バンドワンマンが開かれるのも恒例になって来た。

ステージの幕が上がると、壇上にはすでにメンバーがスタンバイしており、その中心には凛とした存在感を放つ初音が背を向けたまま立っていた。今にして思えば、このオープニングは、彼女が所属するロックバンド「リブライト・ラスタンド」で恒例のスタイル・・。

振り向きざまに演奏が始まると、一曲目の「A DAY」から拳を振り上げ、オーディエンスを巻き込みながら、いきなりテンションMAXのパフォーマンスを披露。続く「R347」でも、爽やかな疾走感のある伴奏が印象的で、全身に心地よいビートを感じさせてくれた。

「A DAY」、「毒りんごと◯◯」、「ユメタビ列車」、を含む3rdアルバム『風は君の答えを待っている』のトレーラー動画。

「ユメタビ列車」は、バンドスタイルで聴くとますます叙情豊かなロック・バラードの体裁を醸し出し、POP’N’ROUGEの真骨頂とも言える一曲。初音自ら奏でるギターの旋律も、ますます胴に入ってきて、名実ともに『ギタ女』と呼べる日も近いかもしれない。アコギよりもエレキが似合う女性シンガーソングライターというのも、少々珍しい気もするが・・。

その後は、「毒りんごと◯◯」や「アカイ糸」でポップなテイスト溢れる楽曲を披露したが、初音の魅惑的なダンス・パフォーマンスも見逃せない。この2曲はPOP’N’ROUGEの『赤』をイメージしたという話だったが、初音本人も深紅の衣装を纏っていたため、まさしく成熟した果実のように見えた。

Surprise & Trouble

ライブでは珍しい「やさしさのカタチ」は、2007年に発表された初音のデビュー・シングル「恋、花火」のカップリング曲なのだが、バラード色の強いA面とは対象的なポップ・チューンなので、バンドライブにはおあつらえ向きと言える。

ところが、今回のライブで聴いた「やさしさのカタチ」は、演奏が始まった途端、まるで音階の違う重低音が鳴り響き、今まで聴いたことのない斬新なロック・アレンジ・・。少ない時間でどうやってあれだけの音を合わせたのか、若いバンドメンバーのセンスに脱帽させられた瞬間だった。

会場で販売されていたPOP'N'ROUGE限定フォトセット。バンドライブで欠かせないタオルの『黒』バージョンも新たなグッズとして加わっていた。
会場で販売されていたPOP’N’ROUGE限定フォトセット。バンドライブで欠かせないタオルの『黒』バージョンも新たなグッズとして加わっていた。

そして、もう一つ今回のライブで象徴的だった「となりあわせ」では、キーボードの担当が遠方からの到着に遅れるというトラブルが発生。バンドライブでは少々異色な、温かみ溢れるこのラブソングでは、とりわけキーボードの旋律が必要不可欠だったようなのだ。

「もう少し待った方がいいんじゃ・・」というメンバーの声を押し切り、敢然とキーボード抜きでの続行を決断した初音。メンバーも戸惑いつつ、手探りながらの演奏であったが、最後には見事に郷愁へと誘うバラードを表現し切った彼らのステージは、まさに圧巻のひと言だった。

帰ってきた白衣の堕天使

さて、後半では一度壇上から姿を消した初音が、衣装替えして再登場。白衣を身に纏い、赤い眼鏡をかけたその出で立ちは、ロックバンド「リブライト・ラスタンド(リブラス)」のボーカルとして出演する時の彼女の裏の姿『初音先生』なのだった。

兼ねてから予告されていたリブラスの楽曲パートへと突入したのだが、リブラスのファンにとってはその喜びも一塩。なぜなら、リブライト・ラスタンドは、昨年の12月以来ライブへの出演を休止しており、その後何度か初音ライブで楽曲の上演はあったものの、『初音先生』の登場自体は実に一年ぶりだったのだ。

平成生まれならではの感性で世の閉塞感を歌った痛快ロック・チューン「ホンキダシイナ」。

一曲目の「STORY~snow drop~」から、ディープなバラードを聴かせ、続く「MADONNA」では爽やかなロックを演奏、そして「ホンキダシイナ」ではタオルを振り回し観客を熱狂の渦へ包み込む・・。

普段のリブラスのライブからすると、少し意外な構成ではあったが、普段の初音ライブとは一味も二味も違う『初音先生』ワールドが表出されていたと思う。何より、何かに憑依されたようにスイッチの入った彼女の渾身のパフォーマンスを、今後も何らかの形で観続けていきたい。

早熟な果実たち

アンコールでは、リブラスのライブでは懐かしの『補習』コールなどもあり、初音本人も思わず顔を綻ばせる場面があったが、メンバー総出演での締めくくりとなった初音の定番ソング「ホントはね」では、厚みのある音で会場の空気を一変させていたと言えよう。

熟練のメンバーで届けるアコースティックワンマン「初音茶屋」とは違って、同年代メンバーで送るPOP’N’ROUGEは、現在進化形の荒削りな部分は否めないが、毎回新たなチャレンジを見せてくれるそのステージには、愉しみが尽きない。

次回バンドワンマン「POP'N'ROUGE」は12/24のクリスマスイブに開催。翌日には180度趣向の違ったアコースティックワンマン「ピアノショコラ」も予定されている。
次回バンドワンマン「POP’N’ROUGE」は12/24のクリスマスイブに開催。翌日には180度趣向の違ったアコースティックワンマン「ピアノショコラ」も予定されている。

ドラムの長嶋貴人を中心に結成されたバンドメンバー達のゆるい結束力も頼もしく、初音本人と共に成長しているような醍醐味が感じられるのだが、今回は予想外のトラブルのため、いつもより多めのMCで活躍する、少し珍しいシーンも見られた。

秋の訪れに相応しく、驚きと青春の味を感じさせてくれるライブであったが、何が起こるか分からない全力のステージには、今後もますます期待が高まる一方だ。次回POP’N’ROUGEは、クリスマスイブの12/24に開催されるそうなので、ぜひそちらも注目して欲しい。

初音ライブ最新情報はこちら

「POP’N’ROUGE ~Hot&SweetNovember~」セットリスト

  • A DAY
  • R347
  • ユメタビ列車
  • 毒りんごと○○
  • アカイ糸
  • やさしさのカタチ
  • エスケープ
  • となりあわせ
  • 君が教えてくれたこと
  • STORY~snow drop~
  • MADONNA
  • ホンキダシイナ
  • ホントはね(アンコール)
  • B.F.F.(アンコール)

「POP’N’ROUGE ~Hot&SweetNovember~」メンバー

  • ボーカル&ギター:初音
  • ギター:杉田昌也
  • ベース:友重悠
  • キーボード:おかじま沙予
  • ドラム:長嶋貴人

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