ライブレポート:ワンマンライブ初音茶屋 vol.54

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ライブレポート:ワンマンライブ初音茶屋 vol.54
4/14に川崎セルビアンナイトで開催された初音さんのワンマンライブ「初音茶屋vol.54」へ行ってきました。今年初となるワンマンは、いつものギターとバイオリンにバンドメンバーを加えた豪華6人編成・・。
今までにないアレンジや演出に度肝を抜かれながらも、恒例の弾き語りやトークコーナーも交えてあっという間の3時間。8/26に渋谷WWWで予定されている10周年ワンマンに向け、ますます期待感の高まるライブとなりました。

新しさが詰まった初音茶屋“NEO”

2010年から始まり、通算54回目を迎える初音さん恒例のワンマンライブ初音茶屋。ゆったり楽しめるアコースティック・ライブとして定評のあるこのイベントですが、10周年イヤーを跨いだ2018年一発目のワンマンということで、今回は特に気合が入っていたのでしょう。

『いつもと違った試み』があると前々から予告されていたのですが、ここ最近の初音茶屋で定番となっていた、ギター・バイオリン・パーカッション・キーボードという4人編成のスタイルを破って、ギター・バイオリン・ドラム・ベース・キーボード・ボーカルの6人編成での開催となりました。

会場となった川崎SerbianNightでは、2月にも仲良しの辻詩音さん、ルリロリさんを招いた主催イベント「Her She Luu Chocolat」が開催されました。

ギターの馬場一人さん、バイオリンのMIZさんは、これまで何度となくチーム初音の一員を務めてきたベテランですが、新たに加わることになったドラム・ナガシマタカトさん、ベース・オギノメリョウさん、キーボード・沙予さんの3人は、POP’N’ROUGEなどのバンドライブでお馴染みの面々です。

そんな新旧のメンバーが入り交じるという意味でも新しい今回の初音茶屋vol.54ですが、初音ファンにとってはどちらも見慣れた顔触れなのも見逃せないポイント。アコースティックとバンドで180度違った正反対の顔を併せ持つ初音さんだけに、その2つが融合された夢のステージとも言えるのです。

新旧メンバーが交わる音のスクランブル

そんな新しいこと尽くめのワンマンライブの幕開けを、期待を込めた眼差しで見守るファン一同の前に現れたのは、いつもとちょっと違った見慣れない光景・・。

普段はキーボードの前に座った初音さんを中心に構成されていたステージも、今までとはだいぶ違った布陣になっていて、舞台の正面にはマイクとギターしか置かれていませんでした。

会場限定グッズの特製フォトセットと、円盤ラジオ「グッドナイトレディオ9」。写真に写った初音さんも春らしい爽やかさを感じさせてくれます。

バイオリンとギターの壮麗な雰囲気が印象的な「初音茶屋のテーマ」が流れた後、舞台の上に登場した初音さんは爽やかな青いワンピースを身に着けていて、颯爽とギターを担いで歌い出します。

一曲目の「refrain〜nowadays〜」は、バンドライブで演奏されることが多い新曲の一つですが、この日はアコースティックなアレンジが加わり深みも倍増。初音さんのボーカルも優しさと切なさが入り交じる豊かな表現力で、観衆をたちまち魅了する滑り出しでした。

空に祈りを…

その後も、定番曲「ホントはね」ではアコースティックな持ち味を活かして春らしい風を会場に運び、「やさしさのカタチ」では照明を落として楽器の音を一つずつ加えていくなど、スタイリッシュな演出で目と耳を刺激します。

私が特に感動したのは、バラード曲「希望にかわるとき」。全身を使って伸びやかに歌う初音さんの姿は、9月の10周年ワンマンを彷彿させましたが、信頼できる仲間に身を委ねることで、ボーカルに100%専念できた結果なのでしょう。

2ndアルバム『音紡ぎ』に収録されている「希望にかわるとき」には、初音さんの大好きな空と夕日の光景が象徴的に描かれています。

空を見上げるように手を差し伸べて歌う姿も神がかっていましたが、初音さんが好きな空をテーマにしている曲だけに、強い思い入れが感じられました。2011年の東日本大震災をきっかけに作られた曲だそうですが、張り裂けそうな歌声は涙なしでは聴けません。

辛い日も楽しい日も、変わらずに美しく沈む夕日に希望を見出した、初音さんの感性には脱帽させられますね。この日は奇しくも、熊本地震から2年目だったのですが、きっと偶然ではなかった気がします。

頑張る人に贈る一刻の宴

子供の頃に作った曲を披露するコドソン・コーナーでは、弾き語りスタイルで相変わらずの美しい歌声を聴かせ、こちらも毎度おなじみカバー曲・コーナーでは、初音さんの大好きな「赤いスイートピー」をギターの馬場一人さんと2人で演奏し、会場を温かい空気に包んでくれました。

後半は、観客もオールスタンディングとなり、アップテンポな曲のメドレーへと突入。初音バンドのファンとしては、ここからが本番といった高揚感がありましたが、「R347」「君が教えてくれたこと」といった初音茶屋でも定番の曲に続いて、「コウサテン」「パーティーナイト」といった未発表曲まで新アレンジが目白押し。

会場限定グッズの特製フォトセット。バンドとアコースティックで正反対の顔を併せ持つ、初音さんの表情や魅力が垣間見られます。

特に、先月できたばかりという新曲「パーティーナイト」は、今までの初音作品にないぐらいビートが速い新境地とも言える楽曲ですが、アコースティックな深みと広がりが加わると、その醍醐味も倍増。

バンドライブで聴いた時よりも歌詞がはっきり聴こえたので、初音さんならではのメッセージ性が伝わってきたのも感無量でした。会場のファンもこの新曲を体全体を使ってどう盛り上げようか、初音さんと一緒に試行錯誤してる過程がまた楽しいですね。

エンドロールは見逃せない

初音茶屋ではお馴染みのちょっと長めのトークでも、メンバーいじりが尽きなかったので、常に笑いの絶えないステージとなりましたが、いつも以上に初音さんがゆるくて天真爛漫だったのは、多くの仲間に囲まれた安心感が滲み出ていたからではないでしょうか?

自由闊達だったのは、トーク内容だけではありません。時にアコギを弾きながら、時にハンドマイク片手に、ステージ中を所狭しと動き回りながらのパフォーマンスは、普段の初音茶屋では見られないアクティブさが全開でした。これも、ここ数年色んなスタイルのライブに体当たりで挑戦してきた、初音さんならではの成果だったと言えるでしょう。

終演後に配られる「HATSUNEJAYA TIMES」には、メンバーみんなに聞いたお互いの第一印象が掲載。ライブの帰りに読むと、振り返ってニヤリと楽しめる仕掛けになっています。

今年の8/26には、10周年イヤーの締めくくりとなるワンマンライブが、渋谷WWWという大きな会場で予定されていますが、今回の初音茶屋の成功を見る限り、大規模編成での素晴らしいステージを期待して良さそうです。

8/26(=ハツロックの日)に開催される記念すべきイベントのタイトルは、「初音10周年ワンマンライブ“エンドロール”」。映画好きの初音さんらしい題名ですが、きっと10年間に及ぶ活動の『総集編』とも言える、壮大なストーリーを私たちの目に焼き付けてくれることでしょう。

先行販売を含めたチケット情報の詳細は、近日中に発表の予定だそうなので、ぜひ皆さんも夢が現実になる瞬間を見逃さないよう、オフィシャルサイトTwitter等をチェックしてみてください。

10周年ワンマンの合言葉は「ハツロックは全員集合」。友達や家族を誘って来ても、絶対に楽しめるとっておきのライブになりそうです。

「ワンマンライブ初音茶屋 vol.54」セットリスト

  • refrain~nowadays~
  • ひだまり
  • ルール
  • ホントはね
  • やさしさのカタチ
  • 迷路
  • 希望にかわるとき
  • 星の数だけ(コドソン)
  • きみのために(コドソン)
  • 赤いスイートピー(松田聖子さんのカバー)
  • 旅立ちの風
  • エスケープ
  • R347
  • 君が教えてくれたこと
  • コウサテン
  • パーティーナイト
  • 恋に出逢った夏
  • A DAY
  • よかった(アンコール)
  • B.F.F.(アンコール)

「ワンマンライブ初音茶屋 vol.54」メンバー

  • Vo.&Gt. 初音
  • Gt. 馬場一人
  • Ba. オギノメリョウ
  • Dr. ナガシマタカト
  • Key. 沙予
  • Vn. MIZ

初音LIVE&イベントスケジュール

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