7/2に川崎SerbianNightで開催された初音さんのワンマンライブ「POP’N’ROUGE ~サマーキャンプ~」へ行ってきました。いつもの『初音』に加えて、ロックバンド『リブライト・ラスタンド』の初音先生も登場するという夏の特別企画・・。
リブラスのファンにとっては待望の復活ライブとなりましたが、初音パートもあっと驚く仕掛けの連続で飽きさせません。シンガー初音の二つの顔を堪能できる、楽しさ満点でホットなイベントとなりました。
目次
時を越えて実現した二人のマドンナの共演
初音さんはシンガーソングライターとしての活動と平行して、ロックバンド『リブライト・ラスタンド(リブラス)』のボーカル・初音先生としての顔も合わせ持っていましたが、リブラスは一昨年の12月以降ライブに出演しておらず、事実上の活動停止状態になっていました。
そんな状況を惜しむファンの声に応える形で、昨年の中頃からはセルフカバー的な試みを取り入れ、バンドスタイルのライブで数曲ほどリブラスの楽曲を披露する機会も増えていました。
ここ1〜2年ほどは、特にバンドライブに力を入れてきた初音さんですが、バンドから入った新規ファンの間でも、テイストの違うリブラス作品の人気が再加熱し、音源の復活を待ち望む声も急増・・。
今回の「POP’N’ROUGE ~サマーキャンプ~」は、そういったみんなの願いを叶える形で実現した夢のコラボ企画・・。決して同じステージに立つことのなかった『初音』と『初音先生』が共演する、ワンマンならぬ「ほぼワンマン」ライブだったのです。
音楽で夏を楽しむ『サマーキャンプ』が開幕
リブラスのライブでは、普段の可愛らしい衣装とは全く違い、白衣を纏った出で立ちに、ロングヘアーや金髪のウィッグを被るという、独特なコスチュームで登場することで知られる初音先生・・。
そんな初音先生の姿を見たことのないファンも多いはずなのですが、チケットの販売を開始してからも人気は高まる一方で、プレイガイドでの発売分も早々に完売するほどの売れ行きでした。
そんな期待と熱気に包まれたステージに最初に登場したのは、いつもの見慣れた初音さんの姿。昨年末から新投入したスタンディング・キーボードでの立ち姿もキマっていて、一曲目の「ユメタビ列車」からムード満点に観客のハートをがっちり掴みます。
続いて「アカイ糸」「恋に出逢った夏」と、夏によく似合うナンバーで盛り上げ、メンバーと一体になった演奏で一気にヒートアップ。初音さんらしいポップな雰囲気で、早くも会場の空気を『サマーキャンプ』さながらに、一つにまとめ上げていました。
いつもと一味違う初音のワンマンショー
普段のバンドワンマンだったら、そのままアップテンポな演奏が続くところですが、今回は開始早々メンバーのみんなを退場させ、もう一台用意してあったキーボードに座ると、一人弾き語りスタイルでの演奏にチェンジ。
シンガーソングライター・初音の原点とも言える弾き語りスタイルで、「ルール」「よかった」の2曲を披露し、観客の心をしっとりした気分にクールダウンさせます。
そして再びバンドモードに戻ると、ここ最近ライブで上演することの多かった最新曲「refrain〜nowadays〜」を筆頭に、怒涛の新曲3連続メドレーを展開。
叙情的な雰囲気溢れる「refrain」の完成度も去ることながら、夏にぴったりのバラード「summer drop」は完全・初お披露目だったし、2月のPOP’N’ROUGE以来二度目の上演となる「新曲2(仮称)」もガールズポップな雰囲気が満点。
ただのワンマンでは終わらせない、創意工夫に満ちたライブ構成には、初音さんの並々ならぬ本気度が窺えるのでした。
再び降り立ったガールズロック界の堕天使
そしてライブ後半は、満を持して話題の初音先生が登場。白衣とロングヘアーに身を包んだ艶やかな姿は、まさしく伝説のロックの女神そのものでしたが、脇を固めるメンバーも白衣を纏い、さながらリブライト・ラスタンド再結成かと目を疑います。
久方ぶりの出演に戸惑いを隠し切れない初音先生でしたが、歌い始めるとそんな違和感はたちまち払拭。ブランクを感じさせないパワフルな歌声と、全身を使ったパフォーマンスで、観客の目と耳を一瞬で虜にしました。
リブラスの楽曲は、初音の作品とは180度違ったダークサイドな世界観が特徴ですが、ライブが進むごとに徐々にボルテージが上がっていく、ロックバンド特有のテンションもまた病み付きになる要素の一つ。
リブラスのライブには参加したことのないファンが大多数だったはずですが、タオルを振り回したり、ジャンプしたりと、激しいアクションにしっかり着いて来れていたのは、初音先生のカリスマ性あってのことではないでしょうか?
かつてのリブラスの出演ライブでは、一公演で4曲程度が普通だったと思うのですが、この日はたっぷり7曲も披露してくれたので、往年のファンとしても感慨深いものがありました。リブラスの復活ライブであると同時に、あたかもリブラスのワンマンライブのようだったのですから・・。
10年前の自分からのメッセージ
終演後、熱烈な『補習』コール(アンコール)に応えてステージに現れた初音さんは、自らの原点を振り返るかのように、デビュー曲「恋、花火」と「ホントはね」を歌い、温かい雰囲気の中、夏の特別授業は幕を閉じました。
一年半前に会った初音先生は、どこか大人に背伸びしているような印象があったのですが、この日のステージで見た彼女には、そういうギャップは感じませんでした。それは初音さんが蛹から蝶になるように、生まれ変わろうとしている時だからかもしれません。
3月の「ハツネバル」や、今回の「POP’N’ROUGE ~サマーキャンプ~」を見ていると、今年に入ってからの初音さんは、自分自身の枠を広げるためのチャレンジに、特に力を入れているように思えるのです。
そんな成長を続けるシンガー・初音ですが、16歳のデビューから数えて、今年で活動10周年目を迎えます。記念すべきターニングポイントを迎える9月には、渋谷Starloungeで10周年ライブ「初音 Anniversary Live 2017〜16歳の頃の夢、覚えていますか?〜」を開催することが決まりました。
10周年ライブのタイトルは、デビュー当時に開催された1stワンマンの名前にちなんでいるそうですが、それから10年ほどたった今、初音さんの夢の旅路はどんな形を描いているのか・・。ぜひ皆さんも、そんな特別なイベントを一緒に見届けてみてはいかがでしょうか?
「POP’N’ROUGE ~サマーキャンプ~」初音さんのセットリスト
- ユメタビ列車
- アカイ糸
- 恋に出逢った夏
- ルール
- よかった
- refrain〜nowadays〜
- summer drop
- 新曲2
- A DAY
- B.F.F.
- 恋、花火(アンコール)
- ホントはね(アンコール)
「POP’N’ROUGE ~サマーキャンプ~」初音先生のセットリスト
- TAKE AWAY
- ミスクラウディア
- STORY〜snow drop〜
- MADONNA
- SILENT CRY
- TIME
- ホンキダシイナ
「POP’N’ROUGE ~サマーキャンプ~」メンバー
- ボーカル&キーボード:初音/初音先生
- ギター:MAO
- ベース:荻野目諒
- ドラム:小久保里沙
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