10/8に原宿ストロボカフェで開催された初音さんのワンマンライブ「初音茶屋vol.51」へ行ってきました。約1年ぶりとなる恒例のワンマンライブ「初音茶屋」でしたが、癒やし度満点のアットホームな雰囲気は相変わらず。
デビュー10周年を迎えた、確かな実力と自信に裏打ちされた伸びやかな歌声に、会場中が和やかな笑顔に包まれていましたが、誰よりも彼女自身がホームへ戻ってきたような、安堵の表情を浮かべていたように感じられました。
目次
波乱混じりのアニバーサリーイヤーの幕開け?
先月の9/10に10周年記念ワンマンを終え、満を持してアニバーサリーイヤーへと突入した初音さん。今回の初音茶屋vol.51も、12月の大阪FINAL公演へと繋がる『初音10th Anniversaryシリーズ』ライブの第一弾という位置付けです。
そんな記念すべき一年の門出となる今回の東京公演は、早くもチケットがソールドアウトになるなど、新旧のファンが全国から駆け付ける大成功の中、幕を開けました。唯一、初音さんが連日のライブ出演や制作活動で多忙を極めたため、チケットの発送がギリギリになってしまった点を除けば・・。
ともすれば、ライブの開催自体が危ぶまれる事態でもあったのですが、それも一重に初音さんの一生懸命過ぎるキャラクターに起因するもの。そんな彼女の性格をよく知るファンが、本気で気を揉むはずがありません。
この日、開場前に集まったファンの面々が、来場者一人一人の顔をチェキで撮影してプレゼントする、というサプライズを企画していたのですが、誰もが率先して協力していたその様子からも、初音さんの人望の厚さが窺い知れるのではないでしょうか?
何度訪れても新しい『初音茶屋』の魅力
オープニングに続いて、「フツウっていう幸せ」というハートウォーミングな一曲からスタートした第51回目のワンマンライブ・初音茶屋。家族をテーマにしたこの曲は、久しぶりに顔を合わせたチーム初音・メンバーの再開に相応しい、暖かい雰囲気を醸し出していました。
その一方で、この曲は初音さんがデビュー前後に家族と六畳一間に暮らしながら、夢を追い続けた葛藤の日々を象徴する作品でもあります。それはきっと、10周年目の新しいスタートに込めた、初音さんの初心に帰る想いが現れていたのでしょう。
その後は、「キミだけが」「モノクロの空」「ひこうき雲」といった、普段のライブでもめったにやらないレア曲たちを立て続けに上演。ドラマチックな世界観を、優雅なバイオリンの音色と軽やかなストリング、そして繊細で力強いパーカッションのリズムが豊かに彩ります。
MCで初音さんが語っていたように、最近は新しいファンも増えているので、初音茶屋に参加するのは今回が初めてという人も少なくなかったようです。そんな初参加の人はもちろんのこと、何年も通っている旧来のファンにとっても、決して飽きさせない新鮮な驚きを盛り込んでいるのが、初音茶屋の魅力なのです。
想い出のページを捲りながら
初音さんが小学生の頃から作り貯めた曲たちを、そのままの姿で披露する恒例の「コドソン」コーナーでは、相変わらずの完成度の高さを見せつけつつも、まさかの伴奏を弾き間違えてしまう場面も・・。
弾き語りマスターの初音さんにしては、かなり珍しい出来事でしたが、「え?なんか気持ち悪い」と言いながら、何度も音を確認する仕草は、豊かな音感を持つプロならではのもの。手探りながら作品を作り上げていく過程を目の当たりにしているような、リアルな醍醐味を味わうことができました。
そして、カバー曲コーナーで上演した「みんな空の下」にちなんで、かつて絢香さんとのツーマンライブに呼ばれた際の懐かしいエピソードを披露。絢香さんが急遽欠場となってしまったため、なんとチーム初音のメンバーが単独で数千人規模の舞台に立つことになったのだとか・・。
さすがに戸惑いを隠しきれなかったと、当時の心境を明かす重鎮・馬場一人さんの心配を他所に、驚くほど緊張しなかったという初音さんの姿が目に浮かぶようでした。そして、初音さんがその時感じたという「ライブが進むに連れて空気が変わっていく感覚」は、この日の初音茶屋に参加した誰もが、身をもって体感したのではないでしょうか?
紡がれる音の葉たち
そんな、デビュー当時の思い出話を振り返った後で聴く、元祖・チーム初音のメンバーを交えた代表曲「ホントはね」には、感慨深いものがありましたが、その後、後半部にかけてノンストップで盛り上がっていく怒涛の展開は、圧巻の一言。
個人的には3rdアルバムに収録されているアッパーな定番曲「A DAY」が最も印象的でした。もはやバンドスタイルでお馴染みのナンバーとなっているだけに、アコースティックで聴くのは随分久々な気がしましたが、よく考えるとこの曲が初お披露目されたのも『初音茶屋』だっただけに、初音さんとこの曲の成長ぶりが際立って感じられたのです。
まるで初音さんの歌手としての10年の旅路を彷彿させるような「refrain〜nowadays〜」の世界観も去ることながら、もう一つの新曲である「コウサテン」も、ポップな可愛さが溢れるアレンジに磨きがかかっていて、その完成度の高さに多くのファンを喜ばせていました。
昨年末頃から、ライブ会場だけで展開されてきたこれらの新曲群ですが、なかなか決まらないと噂のタイトルもようやく形になり、レコーディングも順調に進んでいるようなので、『亀の歩み』を自称する初音さん待望の新作リリースも、いよいよ目前に迫っているようです。
その先の高みを目指して
初音茶屋ではお馴染みのトークも長めだっただけに、たっぷり3時間超の公演となりましたが、普通のワンマンライブではなかなか味わえない、癒しと笑いが詰まった満足度の高いイベントだったと思います。
翌日の10月9日に、渋谷宇田川界隈で開催されたシンガーソングライターの祭典「HUG ROCK FESTIVAL 2017 体育の日」では、一番大きな会場・渋谷WWWでの出演を果たし、打って変わって激しいバンドステージで多くの観衆を熱狂させていました。
今月10月26日には、六本木morph-tokyoとの共催イベントも控えていますが、ここ数年、精力的に活動してきた成果もあり、関東を中心にしたライブシーンの中で、初音さんが確かな存在感を確立していることは言うまでもないでしょう。
『初音10th Anniversaryシリーズ』ライブは、この後、札幌・福岡・名古屋・大阪と各地のツアーへ続きますが、アニバーサリーイヤーの終わりに当たる来年2018年8月には、特別なワンマンを企画しているのだとか・・。
普段は奥ゆかしい初音さんが語気を強めるだけに、きっと来年の10周年ワンマンには、新たなチャレンジが込められているのでしょう。デビュー10年目という一つの山を越え、一皮むけた孤高のアーティスト・初音から、来年も目が離せそうにありません。
「ワンマンライブ初音茶屋 vol.51」セットリスト
- フツウっていう幸せ
- キミだけが
- モノクロの空
- ひこうき雲
- つよがりソレイユ
- エスケープ
- 負けないココロ
- 笑顔の源(コドソン)
- 君のために(コドソン)
- 言葉にできない(小田和正さんのカバー)
- みんな空の下(絢香さんのカバー)
- ホントはね
- コウサテン(新曲)
- refrain〜nowadays〜(新曲)
- 君が教えてくれたこと
- A DAY
- B.F.F.
- よかった(アンコール)
- 伝えたいことば(アンコール)
「ワンマンライブ初音茶屋 vol.51」メンバー
- ボーカル&キーボード:初音
- ギター:馬場一人
- パーカッション:矢吹正則
- バイオリン:MIZ
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